こんにちは、chory_amamです。 今回はエンセファラルトス・ホリダス(Encephalartos horridus)の実生記録になります。
ボスウェリアやユーフォルビアの実生ばかりやってきた自分ですが、ついにソテツにまで手を出してしまいました…。ホリダスは南アフリカ原産のオニソテツ属で、シルバーブルーのトゲトゲした葉がとにかくかっこいい種類です。CITES 附属書Iに掲載されている希少種でもあり、種子からの実生はソテツ好きの憧れでもあります。
エンセファラルトス・ホリダスとは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Encephalartos horridus (Jacq.) Lehm. |
| 科 | ザミア科(Zamiaceae) |
| 属 | エンセファラルトス属(Encephalartos) |
| 原産地 | 南アフリカ・東ケープ州 |
| 生育環境 | 乾燥〜半乾燥地の低木林、草地、開けた岩場・尾根など。日照の強い環境。 |
| 形態 | 低木型ソテツ(幹高〜80cm) |
| CITES | 附属書 I(商業目的の国際取引禁止) |
| IUCNレッドリスト | 絶滅危惧(Endangered) |
ホリダスの学名「horridus」はラテン語で「トゲだらけの、恐ろしい」という意味。その名の通り、葉は非常に硬く鋭いトゲで武装されています。
葉の色は成長とともに変化していきます。展開直後の新芽はピンク〜ブロンズがかった色をしていて、その後シルバーブルーへ、さらに加齢とともに緑がかっていくという、段階的な色変化を楽しめるソテツです。ただし成長は非常にゆっくりで、実生からコーンを出すまでに15〜20年かかると言われています。気長に付き合う植物ですね。
自生地マップ
南アフリカ・東ケープ州のポートエリザベス〜ウイテンハーヘ地区に限定して自生する固有種です。
Encephalartos horridus の自生地:南アフリカ・東ケープ州(参考: PlantZAfrica – SANBI)
種の保存法について
オニソテツ属は全種が種の保存法で国際希少野生動植物種に指定されていて、個体の売買・譲渡は原則禁止です。「え、じゃあフリマで買って大丈夫なの?」と思われるかもしれませんが、種子は規制の対象外なので種子の売買は問題ありません。
ただし発芽後は規制対象になります。自分で育て続ける分には登録不要ですが、誰かに譲渡・販売したい場合は種の保存法に基づく登録が必要です。しかも種子から育てた個体は親個体の登録票などの書類を揃えるのが難しく、登録できないケースもあるとのこと。将来的に手放す可能性がある方は、最初から登録済み個体を入手したほうが無難です。
種子の入手
今回の種子は、フリマサイトで出品されていたものを購入しました。上述の通り、種子の売買は種の保存法の規制対象外なので問題ありません。

種子には割れ目が入っており、内部が見える状態でした。発根・発芽が近いように見えます。
播種
届いてすぐに播種しました。
用土は細粒のパーライト・赤玉土・鹿沼土をブレンドした水はけ重視の配合です。ソテツの実生はとにかく排水性が命。根腐れさせたら一発アウトなので、ここはしっかり水はけの良い用土を準備しました。

播種直後。細粒用土の上に種子を置いて、軽く押し込む程度に
育成環境
- ライト: 植物育成ライト管理
- 風通し: 表土が1日で乾く程度の通風を確保
- 水やり: 1〜2日ごとにひたひたに
播種2日目 — 黒ずみが出て不安に
播種して2日目、種子の表面に黒ずみがあることに気がつきました。
正直、これを見たときは「やってしまったか…?」とかなり焦りました。ソテツの種子はカビや腐敗に弱いと聞いていたので、もうダメかもしれないと覚悟しました。
ただ、ここで諦めずに管理を継続しました。実は去年もホリダスの実生にチャレンジしていて、そのときは根腐れが怖くて水やりを控えめにしていました。土が完全に乾いてから、短くても1週間に1度くらいのペース。結果、うまくいかなかった。その反省を踏まえて、今回は水やりを多めにする方向に振りました。
- 1〜2日ごとにひたひたに水をやる: 種子が乾きすぎないように、でも常に水浸しにはしない
- 風通しの良い場所に置く: 表土が1日で乾くくらいの通風を確保して、カビの発生を抑える
この「しっかり水をやるけど、しっかり乾く」というサイクルが功を奏したのか、種子は腐ることなく次第に土の中へ引き込まれていきました。根が下に伸びる勢いで種子ごと用土に潜っていく感じで、初めて見たときはその生命力に驚きました。
鉢底から根を発見
ある日、なんとなく鉢をひっくり返してみたところ…鉢底から根っこが出ているのを発見!

鉢底のスリットから細い根が飛び出しています
ソテツの実生は太い主根(タップルート)をまっすぐ下に伸ばすので、浅い鉢だとあっという間に底に到達します。この根を見つけたときは嬉しかったですね。黒ずみで不安だった種子がちゃんと生きていて、しっかり根を張ってくれていました。
このタイミングで植え替えを決断。深めの鉢に移すことにしました。
発芽
植え替えもうまくいったようで、ついに地上部が動き出しました!

種子の横から緑色の芽が顔を出しています。ここまで来ると安心感があります
そしてさらに成長して…

ついに展葉!ソテツらしい羽状の葉が開き始めました
この姿を見たときの感動は格別でした。フリマで入手した種子が、黒ずみの不安を乗り越えて、ちゃんとここまで育ってくれた。ソテツの実生は時間がかかると聞いていましたが、発芽間近の種子からのスタートだったこともあり、比較的スムーズに発芽まで到達できました。
葉にはうっすらと産毛が生えていて、まだ柔らかい質感。ここから徐々にあの硬くてトゲトゲしたホリダスらしい葉になっていくのでしょうか。成長が楽しみです。
エンセファラルトス・ホリダス 実生の管理まとめ

育成環境
- ライト: 植物育成ライト管理
- 温度: 室内管理
- 用土: 細粒パーライト+赤玉土+鹿沼土(播種時)→ 赤玉土+ひゅうが土ベース(植え替え後)
- 水やり: 1〜2日おきにひたひたに。表土が1日で乾く環境を維持
管理で意識したこと
- 排水性と通風のバランス: しっかり水をやるけど、しっかり乾かす。この繰り返しが種子の腐敗を防ぎつつ、発根を促してくれた
- 黒ずみに焦りすぎない: 種子の表面が黒ずんでも、すぐに腐敗と決めつけず、硬さや臭いを確認しながら管理を継続。問題なく発根・発芽に進むこともある
- 鉢底チェックは大事: ソテツは主根がまっすぐ下に伸びるので、鉢底から根が出ていないか定期的に確認。根を傷めないよう、早めの深鉢への植え替えを検討
正直なところ
去年の失敗があったので、今回もダメかもしれないという不安は常にありました。特に播種2日目の黒ずみは本当に焦りましたが、前回の「水を控えすぎた」反省を活かして、水やりと通風の管理を愚直に続けたことが結果的に良かったのだと思います。ソテツの種子は根腐れが怖いぶん水を切りがちですが、発根期にはむしろしっかり水を与えたほうが動いてくれるのかもしれません。
フリマで発芽間近の種子を入手できたのは大きかったです。ゼロから発根を待つとなると数ヶ月〜1年かかることもあるそうなので、初めてのソテツ実生としてはハードルが下がりました。
ホリダスは成長が非常にゆっくりなので、ここから先は年単位の付き合いになります。あのシルバーブルーのトゲトゲ葉が出てくるまで、じっくり育てていきたいです。引き続き記録していきます。

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